ビル・カニンガム&ニューヨーク Bill Cunningham, New York


2年間にわたり密着し、カニンガムの知られざる私生活や仕事ぶりを映し出しているドキュメンタリー。
ニューヨーク・タイムズ紙で長年ファッション・コラム『ON THE STREET』や社交コラム『EVENING HOURS』を担当しているファッション・フォトグラファー、ビル・カニンガム。50年以上もニューヨークの街角に出てファッショントレンドを追い続け、ストリートファッション・スナップの元祖とも言える彼に撮られることは、ニューヨーカーにとっては誇りでもある。82歳になる彼は今でもフランスで買ったブルーの作業着姿で街角に自転車に乗って現れ、写真を撮る。夜にはチャリティーパーティーやイベントに顔を出し、さらにパリのファッション・ウィークに出向くなど、仕事に情熱を燃やし続けます。客観性を保つためにパーティーでは水すら口にしないというほど、仕事に対する姿勢はストイックであり、世界中のファッション・ピープルが尊敬する存在。その一方で、彼が雨の日に着るポンチョはテープで補強され、彼の住むカーネギーホールの上のスタジオアパートの小さな部屋は、今まで撮影した全ネガフィルムが入ったキャビネットのほかは、簡易ベッドが置いてあるのみ。コーヒーは安いほどおいしいと主張するなど質素な生活を送り、仕事以外には無頓着なところがある。2008年、ビル・カニンガムはフランス文化省から芸術文化勲章オフィシエを受勲される。そのときに催されたパーティーで、彼は「私のしていることは仕事ではなく喜び」と語る。仕事を愛し、言葉どおりの生き生きとした、人生がすばらしい。映画を見終わった後の、このある種、知的満足感のような興奮は本当に暫らくぶり。堪能した。

『ノートルダム・ド・パリ』

ミュージカル『ノートルダム・ド・パリ』に御招待を頂きました。『ノートルダムのせむし男』の邦訳で知られるヴィクトル・ユーゴーの小説を、リュック・プラモンドン(作詞)、リシャール・コッシアンテ(作曲)がミュージカル化したものです。1998年のパリ初演以来、世界15カ国で上演され、約800万人が涙したフランス版ミュージカルが初来日です。15世紀のパリを舞台に、美しいジプシーの娘エスメラルダに想いをよせる3人の男達の愛と苦悩と欲望の物語。ロック、ポップス、ラテンなどの様々な要素を取り入れた50曲を超える楽曲と、クラシック、モダン、ストリートなど多彩なダンスで物語を展開します。今回はアカデミー賞、グラミー賞に輝くウィル・ジェニングスの英語訳詞バージョン(日本語の字幕があります)。総勢20名以上の鍛え抜かれたダンサーたちが、コンテンポラリーダンスとアクロバティックなパフォーマンスを披露してくれる。寺院をイメージした高い壁をよじ登ったり、吊り下げられた鐘をゆらしたりと、立体空間を縦横無尽に駆けめぐるパフォーマンスは、かなりの迫力です。なかでも、ノートルダム大聖堂の醜い鐘つき男、カジモドの切ない歌が涙を誘いました。
〒150-8510 東京都渋谷区渋谷2-21-1 東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11階) 3月17日まで上演。

LES MILLE ET UNE NUITS(千夜一夜)

眺望の良いカフェ
雨が降っていたので、空き時間にちょっと変わった、展覧会に行きました。会場はアラブ世界研究所(Institut du Monde Arabe)。東洋の神話世界が生んだ千夜一夜物語がテーマです。
「終わりのない物語」であると同時に「千通りの終わりがある物語」でもある、この不思議な文学作品は、私達が抱くアラブ世界のイメージの源泉です。シェヘラザード、アラジン、シンドバッドなど、この千夜一夜物語に登場する人物たちから、造形作家、音楽家、文学者など多くの芸術家たちがインスピレーションを受けてきました。300点余りの展示作品より、この魔法に満ちたアラブの物語世界へ観客を誘う、大人だけでなく、子供も楽しめる展覧会でした。
そして、ここは建物もとても素晴らしいのです。フランス人建築家のジャン・ヌーヴェルが設計し、カメラの絞りのように開閉する金属製の幾何学模様が、窓からの日差しを調整する仕組みになっているのです。最上階にはカフェもありますが、訪れる人は少ないようで、ゆっくり出来ます。セーヌ河沿いの比較的高層のビルなので遮るものがなく、素晴らしい眺望を楽しめます。美味しいペパーミントティーに中東のお菓子を楽しめます。
アラブ世界研究所
Institut du Monde Arabe
住所
1 rue des Fosses Saint Bernard – 75005 Paris
Metro
10番線:Cardinal Lemoine
7・10番線:Jussieu
Phone 01 40 51 38 38
開館時間 10:00~18:00
閉館日 月曜・5月1日
HP http://www.imarabe.org/

『新井淳一の布 伝統と創生』

テキスタイルプランナー新井淳一の個展『新井淳一の布 伝統と創生』が、1月12日から東京・初台の東京オペラシティアートギャラリーで開催されます。
それに先立って、今夜はオープニングプレビューへ行ってきました。
新井氏は、既成の枠にとらわれず布の構造や繊維の特性に着目し、様々な実験を繰り返しながら多彩な布作りを行ってきました。
強撚糸を使って、立体的に仕上げた初期の布から、メタリック糸使いの布を絞ってメタルオフさせた近年の物まで多彩な布を展示し、新井氏の60年に及ぶ仕事の全貌を紹介。手仕事とテクノロジーを融合させながらテクスチャーの可能性を探求し続けてきた新井氏の創造にインスピレーションを与えた民族資料や自身撮影の写真などもあわせて展示し、その発想の原点や軌跡を探ります。

『新井淳一の布 伝統と創生』
2013年1月12日(土)~3月24日(日)
会場:東京都 初台 東京オペラシティ アートギャラリー(3Fギャラリー1、2)
時間:11:00~19:00 金、土曜11:00~20:00(最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、2月10日(日、全館休館日)
料金:一般1,000円 大学・高校生800円 中学・小学生600円
※土、日曜および祝日は中学・小学生無料

「新春浅草歌舞伎」

お正月気分満喫の新春歌舞伎の浅草へ。江戸時代、浅草の町は江戸随一の繁華街として栄え、現在の浅草公会堂のある場所からほど近い猿若町には、天保以来、「江戸三座」と呼ばれる幕府公認の芝居小屋が立ち並び、大変な賑わいであったと伝えられています。その後も、明治、大正、昭和と浅草はショービジネスの中心地として栄えていきます。しかし、第二次世界大戦後、浅草での歌舞伎興行はしばらく途絶えていましたが、昭和55年のお正月に「初春花形歌舞伎」として浅草での歌舞伎興行が復活。それ以来、浅草公会堂にて初芝居の公演を催し、大人気を博してい今回、全演目に出演する海老蔵さんは、新之助を名のっていた平成11(1999)年、14年ぶりとなる事で話題。
お正月の浅草公演ではすっかりお馴染みの愛之助さんと、とても楽しめました。
開幕に先立ち、出演俳優が新年のご挨拶をする恒例の「お年玉〈年始ご挨拶〉」。
そして幕開きは、『寿曽我対面』。江戸歌舞伎では初春に上演することが吉例となっていた曽我兄弟の仇討物語の人気の場面です。様々な役柄が勢揃いする豪華な’歌舞伎絵巻’とてもお正月らしい。
続く河竹黙阿弥作『極付幡随長兵衛』は俠客の元祖といわれる長兵衛のダンディズムが心揺さぶる名作です。海老蔵が見事に演じてくれました。
華やかな雰囲気でお正月気分が満たされる一時でした。
そして、帰りには、スカイツリーを見ながら浅草寺でお参り。

パーティーシーズン到来 Noel d’Opera

スモークサーモンとヘリングのマリネ
パーティーシーズン到来、恒例ACT4主催の「Noel d’Opera」へ行ってきました。今年はワーグナー生誕200年を前に、ALL Wagner Programを楽しむ会でした。音楽界だけでなく19世紀後半のヨーロッパに広く影響を及ぼした中心的文化人の一人でもあるワーグナーの素晴らしいプログラムを贅沢に楽しみました。
パーティーのスタートは、指揮者の濱一さんを迎えてのオーケストラ、ワーグナープログラム 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』序曲 『ワルキューレ』第一幕より“あなたこそ春” 『リエンツィ』序曲。ソプラノの小濱妙美さんがゲストで、素晴らしかったです。
ウエスティン東京の総料理長、沼尻シェフによるルードヴィッヒ2世がワーグナーを招いた時のディナーを再現したお食事。
そして、カジノタイム、ダンスタイムと、大人が楽しめる余韻が残るパーティでした。

レトロな食事

昨日は雨の中、上野の森へ美術館展を見に行ってきました。メトロポリタン美術館展と、チョコレート展を見て来ました。今回のMetのコレクションは、広く、浅くの入門編。さて、上野には行きたいB級グルメの店が沢山ありますが、夫の上野と言えば昔懐かしい精養軒だ!との一言で、何と今日は昼、夜、共に精養軒でのお食事となりました。精養軒は、明治5年に三条実美や岩倉具視の援助により、東京府築地にフランス料理の草分けとして、「西洋館ホテル」を創業。その後、「精養軒ホテル」に改名して、明治9年に、上野公園の開設に伴って、今の上野精養軒を開業したそうです。
公園内でも随一といわれる素晴らしい眺望を誇る社交場には内外の王侯貴族や各界の名士が集い、鹿鳴館時代には華やかな文明開化の一翼を担うステージとして脚光を浴びたそうです。明治の文豪がこよなく愛した伝統の味を今に受け継ぎ、創業以来、愛され続けてきた本格的フランス料理が何とも言えず、美味しかった。最近のフレンチに慣れている私としては、この伝統の味が懐かしい。小さいころ、両親に連れられ、上野動物園の帰りには、必ずここで食事をした思い出やら、桜の好きな母が、このメインダイニングの窓際の席で何度もお花見をさせてくれた思い出、などなど、とてもレトロな思い出があります。そんなメインダイニング『グリル フクシマ』のノスタルジックな味を堪能しました。カジュアルなヨーロピアンテイストの『カフェラン ランドーレ』では、スペシャリテでもあるハヤシライスのドミグラソースを楽しみました。お土産にはもちろん、名物のカレーです。

チョコレート展へ行ってきました

チョコレートは世界中でもっとも愛されているスィーツの一つ。約4,000年の長い歴史の中で、苦いカカオの飲み物から、美味しくて甘いチョコレートになったのです。私もバレンタインデーになると、家族や友人の為に、得意なチョコレート作りをします。フランスに出張した時は、コートジボワールのチョコレートなど沢山の材料を毎年買って帰ります。(フランスが世界で一番の消費国のようです)しかし、チョコレートが原料のカカオからどのようにチョコレートが出来るのかは、知りませんでした。カカオの学名は、神様の食べ物という意味だそうです。その歴史は、ミステリアスで、しかも昔は貴重品でした。昔の人が使っていた道具や素敵な食器の他、懐かしいコマーシャルなども今回は展示され、興味深い物でした。チョコレート工場を体感できるような、生産工程の展示が、いかにも科学博物館らしく秀逸です。
約380点もの展示を通して、あまり知られていないチョコレートの世界を垣間見る事が出来ました。
最後の出口にある、ミュージアムショップで、ついついチョコの買い物をしすぎないように注意!

チョコレート展
 会期:2012年11月3日(土・祝)~ 2013年2月24日(日)
 会場:国立科学博物館
    東京都台東区上野公園 7-20
 時間:9:00~17:00(金曜日は20:00まで)
    ※入館は各閉館時刻の30分前まで
 休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日 ※12月25日は開館)、
     12月28日(金)〜1月1日(火・祝)
 入場料:◆一般・大学生 1,400 円
     ◆小・中・高校生 600 円
     ◆金曜限定ペア得ナイト券 2,000 円
      ※2 名様同時入場/男女問わず
      ※会場での当日販売のみ

今回は、金曜限定ペア得ナイト券で入場しましたが、デートにお奨めです!

BirdLife Gala Dinner 2012

プレミアムラッフルの品々
高円宮妃殿下とお揃いの生地
サイレントオークションの為に品定め
ホテル日航東京SPA然TOKYOからのプライズ
今夜はBirdLife Gala Dinner 2012がパレスホテル東京で行われました。バードライフ・インターナショナルは 、1922年に英国で発足した、世界で最も古い歴史を持つ国際環境NGOです。116カ国に250万人のメンバーを有し、名誉総裁には高円宮妃久子殿下が就任されています。鳥類を生物多様性をはかる指標と位置づけ、「種」、「生息場所」、「生息環境」、「地域の人々」の4つの側面から保全活動を推進している団体です。
Gala Dinner は、皇族、フランス大使夫妻のみならず、アメリカやカナダ大使夫妻など各国の駐日大使夫妻ほか、海外からの多数のゲストを交え、華やかに行われました。ご招待状のドレスコードはブラックタイ/イブニングドレス。正装でのパーティーは、心時めくものです。東議秀樹氏のコンサートやラッフル、オークションなど、本当に素晴らしい時間を過ごす事が出来ました。

テキスタイルコレクション

連続した小花のモチーフはストレッチの生地で
フレンチリビエラの香りを色と大人可愛い花のモチーフで
トレンドカラー・モーブを使って上質感を
葉っぱのモチーフには透明感のある生地で
私のデザインを織物に仕上げて下さったテキスタイルエンジニアのK氏
今日、 テキスタイルコレクションが無事終了しました。3月のコレクションに続き、今回で2回目の発表でした。私なりに、こんなシーンで使って頂きたいとの思いもあり、一生懸命デザインをしました。先ずは、デザイナーの方にもコンセプトをご理解頂き、受注となれば嬉しいです。展示会が終わり、来週はサンプルをお送りする準備が又大変です。テキスタイルデザインは、デザインの図柄だけではなく、糸の組み合わせや表現、そして風合など、布としての質感にも気を配ります。