JAR 

PARISから届いたJAR(Joel Arthur Rosenthal)の写真集です。JARは「21世紀の最高のジュエリーデザイナー」「プライベートジェラー」と呼ばれています。
JARがあまり知られていないのは、彼自身が マスコミ嫌いというだけでなく、一般的には彼の作品を目にする事さえできないと言う事情があります。彼は、ニュヨーク生まれで、ハーバード大学で美術史と哲学を学んだ後、1977年パリのヴァンドーム広場にお店をオープン。しかしヴァンドームのその店は、小さく「JAR」と表示されているだけで、外からは何も見えません。
宣伝もしなければショーウインドーもない完全予約制のお店です。欧米のセレブリティが争って求める、JARの作品はお金を積んでも買えるものではなく、作品が客に似合わないと思うと販売さえしないと言われ、顧客になることすら難しいブランドです。
数年前に、フランス人の知人の紹介で夫と共に訪れたことがあります。応接室の奥にある真っ暗なショールームで見た、植物や動物のモチーフの作品は、ほんとうに繊細な技術で作られ、花火のように輝いていました。パベセッティングされた作品が有名ですが、留める爪を徹底的に小さくし、その素晴らしさは目を見張ります。昔クリスティーズの「エレン・バーキンのジュエリーのオークション」ではJARのジュエリーが17点も出品され、高値で落札されました。現在ニューヨークのメトロポリタンミュージアムでJARの展覧会が開催中ですので、2014年、旅のスタートは冬のNYです。
http://www.metmuseum.org/about-the-museum/press-room/exhibitions/2013/jewels-by-jar
2013年もあとわずか、静かにこの本を眺めながら、輝く2014年に思いを馳せてみたいと思います。
皆様にとっても新しい年が素晴らしい良き年となりますように。

炎の彫刻 WaterFire Providence

ロードアイランド州 プロヴィデンスの人気イベントWaterFire Providence。
日本では、知られていないイベントですが、アメリカ人の芸術家バーナビー•エヴァンスが 1994にはじめ、今や、一晩に数万人の観光客が訪れる、人気イベントに成長。都市再生の素敵な成功例です。
5月から10月の週末、夕暮れとともに、市内を流れる3つの川には、100個ほどのかがり火がたかれます。
ミュージシャンや、パフォーマーにかこまれ、人々は川辺を散策したり、静かに川面を見つめたり、、、とてもロマンティックです。燃えさかる炎と香木の燃える煙の香りにつつまれた夜の町はとても幻想的。
残念ながら、今シーズンは終了ですが、来年ボストンに出かける方は、ぜひ日程を合わせてみてはいかがでしょう。思い出の夜になること請け合いです。
プロヴィデンスは、ボストンから、車で一時間程ですが、歴史的な建物が並ぶBenefit Streetや、アイビーリーグのひとつブラウン大学やロードアイランド造形大学の付属美術館など見どころが多い所です。

追記
ロブスターや牡蠣が食べられる美味しいレストラン
Hemenway’s Seafood Grill & Oyster Bar
121 South Main St, Providence, RI 02903
TEL:401 351-8570

LES MILLE ET UNE NUITS(千夜一夜)

眺望の良いカフェ
雨が降っていたので、空き時間にちょっと変わった、展覧会に行きました。会場はアラブ世界研究所(Institut du Monde Arabe)。東洋の神話世界が生んだ千夜一夜物語がテーマです。
「終わりのない物語」であると同時に「千通りの終わりがある物語」でもある、この不思議な文学作品は、私達が抱くアラブ世界のイメージの源泉です。シェヘラザード、アラジン、シンドバッドなど、この千夜一夜物語に登場する人物たちから、造形作家、音楽家、文学者など多くの芸術家たちがインスピレーションを受けてきました。300点余りの展示作品より、この魔法に満ちたアラブの物語世界へ観客を誘う、大人だけでなく、子供も楽しめる展覧会でした。
そして、ここは建物もとても素晴らしいのです。フランス人建築家のジャン・ヌーヴェルが設計し、カメラの絞りのように開閉する金属製の幾何学模様が、窓からの日差しを調整する仕組みになっているのです。最上階にはカフェもありますが、訪れる人は少ないようで、ゆっくり出来ます。セーヌ河沿いの比較的高層のビルなので遮るものがなく、素晴らしい眺望を楽しめます。美味しいペパーミントティーに中東のお菓子を楽しめます。
アラブ世界研究所
Institut du Monde Arabe
住所
1 rue des Fosses Saint Bernard – 75005 Paris
Metro
10番線:Cardinal Lemoine
7・10番線:Jussieu
Phone 01 40 51 38 38
開館時間 10:00~18:00
閉館日 月曜・5月1日
HP http://www.imarabe.org/

『新井淳一の布 伝統と創生』

テキスタイルプランナー新井淳一の個展『新井淳一の布 伝統と創生』が、1月12日から東京・初台の東京オペラシティアートギャラリーで開催されます。
それに先立って、今夜はオープニングプレビューへ行ってきました。
新井氏は、既成の枠にとらわれず布の構造や繊維の特性に着目し、様々な実験を繰り返しながら多彩な布作りを行ってきました。
強撚糸を使って、立体的に仕上げた初期の布から、メタリック糸使いの布を絞ってメタルオフさせた近年の物まで多彩な布を展示し、新井氏の60年に及ぶ仕事の全貌を紹介。手仕事とテクノロジーを融合させながらテクスチャーの可能性を探求し続けてきた新井氏の創造にインスピレーションを与えた民族資料や自身撮影の写真などもあわせて展示し、その発想の原点や軌跡を探ります。

『新井淳一の布 伝統と創生』
2013年1月12日(土)~3月24日(日)
会場:東京都 初台 東京オペラシティ アートギャラリー(3Fギャラリー1、2)
時間:11:00~19:00 金、土曜11:00~20:00(最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、2月10日(日、全館休館日)
料金:一般1,000円 大学・高校生800円 中学・小学生600円
※土、日曜および祝日は中学・小学生無料

レトロな食事

昨日は雨の中、上野の森へ美術館展を見に行ってきました。メトロポリタン美術館展と、チョコレート展を見て来ました。今回のMetのコレクションは、広く、浅くの入門編。さて、上野には行きたいB級グルメの店が沢山ありますが、夫の上野と言えば昔懐かしい精養軒だ!との一言で、何と今日は昼、夜、共に精養軒でのお食事となりました。精養軒は、明治5年に三条実美や岩倉具視の援助により、東京府築地にフランス料理の草分けとして、「西洋館ホテル」を創業。その後、「精養軒ホテル」に改名して、明治9年に、上野公園の開設に伴って、今の上野精養軒を開業したそうです。
公園内でも随一といわれる素晴らしい眺望を誇る社交場には内外の王侯貴族や各界の名士が集い、鹿鳴館時代には華やかな文明開化の一翼を担うステージとして脚光を浴びたそうです。明治の文豪がこよなく愛した伝統の味を今に受け継ぎ、創業以来、愛され続けてきた本格的フランス料理が何とも言えず、美味しかった。最近のフレンチに慣れている私としては、この伝統の味が懐かしい。小さいころ、両親に連れられ、上野動物園の帰りには、必ずここで食事をした思い出やら、桜の好きな母が、このメインダイニングの窓際の席で何度もお花見をさせてくれた思い出、などなど、とてもレトロな思い出があります。そんなメインダイニング『グリル フクシマ』のノスタルジックな味を堪能しました。カジュアルなヨーロピアンテイストの『カフェラン ランドーレ』では、スペシャリテでもあるハヤシライスのドミグラソースを楽しみました。お土産にはもちろん、名物のカレーです。

チョコレート展へ行ってきました

チョコレートは世界中でもっとも愛されているスィーツの一つ。約4,000年の長い歴史の中で、苦いカカオの飲み物から、美味しくて甘いチョコレートになったのです。私もバレンタインデーになると、家族や友人の為に、得意なチョコレート作りをします。フランスに出張した時は、コートジボワールのチョコレートなど沢山の材料を毎年買って帰ります。(フランスが世界で一番の消費国のようです)しかし、チョコレートが原料のカカオからどのようにチョコレートが出来るのかは、知りませんでした。カカオの学名は、神様の食べ物という意味だそうです。その歴史は、ミステリアスで、しかも昔は貴重品でした。昔の人が使っていた道具や素敵な食器の他、懐かしいコマーシャルなども今回は展示され、興味深い物でした。チョコレート工場を体感できるような、生産工程の展示が、いかにも科学博物館らしく秀逸です。
約380点もの展示を通して、あまり知られていないチョコレートの世界を垣間見る事が出来ました。
最後の出口にある、ミュージアムショップで、ついついチョコの買い物をしすぎないように注意!

チョコレート展
 会期:2012年11月3日(土・祝)~ 2013年2月24日(日)
 会場:国立科学博物館
    東京都台東区上野公園 7-20
 時間:9:00~17:00(金曜日は20:00まで)
    ※入館は各閉館時刻の30分前まで
 休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日 ※12月25日は開館)、
     12月28日(金)〜1月1日(火・祝)
 入場料:◆一般・大学生 1,400 円
     ◆小・中・高校生 600 円
     ◆金曜限定ペア得ナイト券 2,000 円
      ※2 名様同時入場/男女問わず
      ※会場での当日販売のみ

今回は、金曜限定ペア得ナイト券で入場しましたが、デートにお奨めです!

テキスタイルコレクション

連続した小花のモチーフはストレッチの生地で
フレンチリビエラの香りを色と大人可愛い花のモチーフで
トレンドカラー・モーブを使って上質感を
葉っぱのモチーフには透明感のある生地で
私のデザインを織物に仕上げて下さったテキスタイルエンジニアのK氏
今日、 テキスタイルコレクションが無事終了しました。3月のコレクションに続き、今回で2回目の発表でした。私なりに、こんなシーンで使って頂きたいとの思いもあり、一生懸命デザインをしました。先ずは、デザイナーの方にもコンセプトをご理解頂き、受注となれば嬉しいです。展示会が終わり、来週はサンプルをお送りする準備が又大変です。テキスタイルデザインは、デザインの図柄だけではなく、糸の組み合わせや表現、そして風合など、布としての質感にも気を配ります。

桐生テキスタイルコレクション2013

桐生テキスタイルコレクション2013が明日から始まります。
この写真のテキスタイルは、ジャガード織で、カットの技法を使用してベルベット調の毛と、ふくれで、柄を表現してみました。
今回の展示会の為の私のデザインは、12点ほどですが、お披露目するのは、数点です。
10月18日・19日 料金入場無料
TEPIA 3F エキビジションホール
東京都港区北青山2-8-44
TEL 03-5474-6143
時間 10:00~18:00
交通
東京メトロ銀座線外苑前駅より、徒歩約4分
車 首都高速4号新宿線外苑出口より約5分

テキスタイルデザイン

18日から桐生テキスタイルコレクションが開催されます。今年の私のテーマは、デザインは植物、色はフレンチリビエラ。この夏のニースの旅、パリで会ったデザイナーや、パリのテキスタイル展示会プルミエビジョン、と沢山の刺激が作品となって出来上がりました。時間がない中で、二人のテキスタイルエンジニアが一生懸命に、製織してくれました。どんなシーンで使ってくれるのか、楽しみでもあります。とはいえ、いつもの事ながら、今回は特に時間が足りなかった。残念。

桐生テキスタイルコレクション2013 10月18日・19日 料金入場無料
TEPIA 3F エキビジションホール
東京都港区北青山2-8-44
TEL 03-5474-6143
時間 10:00~18:00
交通
東京メトロ銀座線外苑前駅より、徒歩約4分

首都高速4号新宿線外苑出口より約5分

オールドノリタケ

盛り上げ
群馬県桐生市の岡福亭にて、オールドノリタケ展覧会があると言うので、立ち寄ってみました。オールドノリタケとは1800年代末から第二次世界大戦の終わりにかけて日本陶器(現、ノリタケカンパニ-)が製造し、主にアメリカやイギリスに輸出された西洋磁器群の総称です。 日米貿易のルーツ、そして我国の貿易立国への原点がこのオールドノリタケにあると言われています。 アメリカではオールドノリタケに関する書籍が十数冊も出版され、コレクターズクラブも2つ存在します。 単なる西洋磁器の亜流ではなく、世界に比類なきアールデコや盛り上げの技法など、その卓越した秀逸な手法が再評価されています。今や、美術工芸品として世界の陶磁器の中で高い地位を確保し、近年では、海外のコレクターによる紹介や日本への里帰りで注目されています。
花瓶や置物などの装飾品と洋食器などのテーブルウェアが主体で、特に芸術的な絵付けや繊細な細工などで知られ、多くの収集家がいるそうです。
今日の展覧会では、オールドノリタケの華麗なる世界を垣間見る事が出来ました。